日本では、昔から四季のうつろいに寄り添いながら、
花や草木といった自然に宿る“目には見えない力”を大切にしてきました。
中でも、梅雨の季節に静かに咲き始める紫陽花(アジサイ)は、
その色とりどりの美しさとふんわりとした花姿から、
魔除けや厄除けの象徴として親しまれてきた特別な花です。
紫陽花は、湿気の多い雨の季節にも負けず、
しっかりと根を張ってたくましく育つ植物です。
その力強い姿には、
「元気でいられますように」
「災いから守ってください」
といった、人々の素直な願いが重ねられてきました。
こうした背景から、紫陽花はお寺や神社といった自然と深く結びついた神聖な場所で、
大切に育てられ、今もなおその姿を多くの人の心に届けています。
自然信仰や神仏習合の文化のなかで、紫陽花は季節とともに生き、
自然と調和する象徴のような存在として、暮らしの中に根づいてきました。
また、紫陽花には昔から伝わるおまじないがあります。
①半紙に自分の名前と生年月日を書きます。
②それを紫陽花の茎に巻きつけ水引きで結びます。
③玄関やトイレ、台所など家の中の好きな場所に逆さにして吊るします。
特にトイレに飾ると婦人の健康を守るとされています。
このおまじないは、6のつく日(6日・16日・26日)に始めるのがおすすめです。
その日から1年間、目に触れる場所に吊るし続けることで、
厄除けや良縁を呼び込むといわれています。
願いに合わせた飾り方の例
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健康・婦人病の祈願:紅白の水引を結び、トイレに飾ります。
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縁結び・恋愛運アップ:赤い糸を使い、良縁を招きます。
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金運アップ:金銀の水引を結び、玄関やオフィスの南・東向きに飾ります。
紫陽花は梅雨の象徴であると同時に、
ドライフラワーにすることで一年を通じてその力を感じることができます。
自然の恵みと寺社で大切にされてきた紫陽花の力を借りて、
願いを叶えるおまじないとして、ぜひ取り入れてみてください。
皆さまの毎日が、
紫陽花のように美しく健やかでありますよう
心より願っております。